


真剣になると知恵が出る
「真剣になると知恵が出る、いい加減だと愚痴が出る、中途半端だと言い訳ばかり」
このフレーズは、当社の毎週の全体朝礼で何年も唱和していた言葉です。もう暗唱できるくらいになったため、朝礼で唱和することはやめにしたのですが、ふと「この言葉は誰の言葉なのだろう?」と思い調べてみたところ、武田信玄の教えとして広く知られていることがわかりました。確かな出典は不明ではあるものの、その精神性は信玄の統治哲学とも通じており、現代のビジネスにおいても非常に示唆に富んでいます。
この機会に、他にも武田信玄が残したとされる名言をいくつか紹介し、その背景と現代的な意義について考察してみたいと思います。

1. 「人は城、人は石垣、人は堀」
強い組織に必要なのは立派な設備ではなく、人材である。
この名言は信玄の政治思想を象徴するものです。彼が「甲府城」を築かなかったのも、人を信じるという哲学があったからだとされています。現代においても「人材こそ資本」という考え方は通じます。
2. 「風林火山」
其疾如風、其徐如林、侵掠如火、不動如山(孫子の兵法)
武田軍の軍旗に掲げられていた戦術思想。
- 風のように素早く動き、
- 林のように静かに構え、
- 火のように攻め立て、
- 山のように揺るがない
この4原則は、リーダーやチームの意思決定・行動方針にも応用できます。
3. 「情けは味方、仇は敵なり」
思いやりを持てば味方が増え、憎しみを抱けば敵が増える
信玄が語ったとされるこの言葉には、人間関係の本質が凝縮されています。部下や顧客との信頼構築にも通じる普遍的な真理です。
4. 「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
勝つには偶然もあるが、負けには必ず原因がある
※こちらの言葉は実際には松浦静山の『剣談』に見られるものですが、信玄の思想と近いために誤って紹介されることがあります。
5. 「真剣になると知恵が出る、いい加減だと愚痴が出る、中途半端だと言い訳ばかり」
出典不詳だが、現代でも広く用いられる“信玄の教え”として有名
この言葉は後世に作られた可能性が高いですが、物事に対する姿勢を鋭く突いており、多くの場面で引用されています。
おわりに
武田信玄の名言には、時代を超えて通用する洞察と哲学が詰まっています。組織づくりやリーダーシップ、人間関係に悩んだとき、ぜひ信玄の言葉を思い出してみてください。

※出典:Wikimedia Commons(パブリックドメイン)
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