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「二季」という感覚と、日本人の季節を愛する心
秋が深まるにつれ、街路樹や山々が赤や黄色に染まり、私たちの目を楽しませてくれます。
日本人は古くから、季節の移ろいに深い感受性を持ってきました。
季節ごとの風景や食べ物、行事に心を寄せるその姿勢は、単なる気候の変化を超えた「文化」として根づいています。

しかし、近年「春と秋が短くなった」と感じる人が増えています。
そんな体感を言い表す言葉として、2025年の新語・流行語大賞候補に挙がったのが「二季(にき)」です。
「二季」とは、四季のうち春と秋が縮まり、夏と冬の二つの季節だけが長く続くように感じられる現象を指す言葉です。
これは単なる気候の変化ではなく、私たちの暮らし方や感性にも影響を与えるものです。
それでも、日本人の季節を愛する心は、変わることがありません。
短くなった春でも、道端に咲く花に目を留め、秋の気配がわずかでも感じられれば、紅葉を探しに出かける。
「二季」という言葉は、気候の変化に対する戸惑いを表す一方で、季節を慈しむ気持ちを再確認するきっかけにもなります。
たとえ春や秋が短くなっても、その一瞬の美しさを見逃さず、心に留めることができれば、感性をより豊かにしてくれるのではないでしょうか。
「二季」の時代にあっても、季節を愛でる心を忘れずにいたいものです。