消えたイカのその後
スルメイカが戻ってきた?

早いもので以前「消えたイカ」と以前コラムに書かせていただいてから1年と3ヶ月が経ちました。
スーパーのお惣菜コーナーではイカの天ぷらを見る機会が少し減ったように思います。
そんな中、2025年はスルメイカと秋刀魚が豊漁だ!とTVメディアなどで報道されました。
全然獲れないと大騒ぎした昨年から一転、そんなに獲れるようになったのでしょうか?
去年よりは増えたけど⋯?
スルメイカは主に日本海・東シナ海・北太平洋で漁獲され、日本・韓国・中国が主要漁獲国です。
日本の漁獲量は1968年ピーク時 約56万トン → 2023年は 約1.6万トンまで減少(約97%減)しました。
これに危機感を感じ各国が漁獲枠(TAC)を制定。直近では2024年は約7.9万トン。2025年は約1.9万トンとなっています。
2025年は最終的に2.58万トンまでTACを拡大しましたが、「これからが獲れるのに制限されてしまった」とニュースで語られる漁師さんの動画を覚えておられる方もいるかも知れません。
海には大量のイカの群れがいるのに、「漁獲枠のせいで漁に出ることが出来ない」と漁師さんが語るセンセーショナルな映像でした。
でも、そもそもTACって「そこにいても将来の資源確保のために獲っちゃだめだよ」という枠組みの為、「イカがいても獲っちゃいけないのは普通のことでは?」と思われるかもしれません。
しかし、日本では2015~19年は設定されたスルメイカのTACを60~80%しか漁獲出来ず、2020~24年は50%しか漁獲できないという、制限が制限になっていない大きな数字だったのです。そのため、今回漁に行けないということで戸惑いの声が上がり大々的にニュースとして取り上げられたのだと思います。しかし、これでやっと適正なTACを守るという当たり前の状況になったのです。
今後のスルメイカの資源回復に向けて、日本は大事な一歩を踏み出した年になったのではないか、と私は勝手に思っております。
なお、太平洋側は比較的獲れたようですが、日本海側はスルメイカは全然いないようです。まだまだ、回復には時間はかかりそうです。
一方、他のイカは?
2024年、漁獲量が一気に減少したアメリカオオアカイカですが、2025年は豊漁というほどではないですが、そこそこに漁獲が出来たようです。
価格は以前と比べるとまだまだ高いですが、少しずつ落ち着いてきております。
スルメイカが皆様の食卓に並ぶのはまだまだ難しいかもしれませんが、アメリカオオアカイカを使った天ぷらやイカフライは来年には皆様の食卓に戻ってくるかもしれません。
